手がしびれる!という時は

手がしびれるのはなんで?

胸郭出口症候群・肘部管症候群・手根管症候群といった症状名が付いたり、原因不明の手や腕、指先のしびれが起こっている時、身体ではどのようなことが起こっているでしょうか。

▶しびれの起こる状況
〇〇症候群と呼ばれるような症状で起こるしびれは、神経や血管がその通り道で圧迫を受けています。その場所が胸郭か、肘か、手首かといったような違いで名前が変わりますが、組織がより密集している関節部で神経・血管が圧迫されているという共通点があります。原因不明の場合もより悪いというわけではなく、関節部以外で圧迫が起こっているなどの理由から「どこが原因でしびれが起きているか」が特定しにくい時に使われることが多いです。基本的に「しびれ」というのは神経が直接圧迫されて伝達能力が低下しているか、血管が圧迫され酸欠になった組織の受信能力が低下しているかです。

※脳の影響は?
脳の異常でしびれがある場合、しびれ以外にも不調がある場合が多く、そもそも相当体調が悪いはずです。そのような疑いがあればすぐに病院にいくべきですが、あくまで手指・腕がしびれている場合は対処可能です。あまり不安にならないことと、すぐに対処することが肝心です。

しびれてる時に知っておきたいこと、やりたいこと

神経の圧迫によるしびれと、血管の圧迫によるしびれがあると言いました。しかし、神経が伸びているところには血管も伸びています。どちらかを圧迫してしまう原因があれば、どちらも圧迫されていることを想定して対処した方が無難です。

▶血流の阻害と再開による反動
よく使われるしびれのイメージに正座による足のしびれがあります。膝を折りたたみ体重を乗せることで、感覚がぼんやりとして無くなっていきます。いざ立とうとしたとき、足を伸ばすとしびれが来ます。圧迫により神経がうまく働けなくなれば、身体がうまく動かないのはイメージできるでしょう。この状態から足を伸ばし血流が一気に再開した時、急激に身体の機能を元に戻そうとして過敏になっている状態が、「しびれている」という状態です。

▶圧迫と開放が繰り返されている状態にあることを自覚する
繰り返しになりますが、手、腕のしびれは胸郭から肩関節部、脇や肘、手首などの通り道などで圧迫されていることに原因があります。ではどんな使い方、どんな体勢でしびれが起きるかを知り、対策できればOKです。

1⃣姿勢・体勢の問題
・猫背
・内巻き肩
・なで肩、いかり肩
・頭が前に倒れている
・肘がねじれている
・力を抜いても拳を握っている

2⃣身体の使い方の間違え
・手を振らずに歩く
・肘に荷物をかける
・利き手しか使わない
・机に肘をつく

3⃣ケア不足
・肩周囲、腕の筋肉が硬い
・冷え、むくみがある
・力が抜けない
・運動不足

崩れた姿勢はそうあるだけで、圧迫の原因になります。また、今更手をどうやって動かすか、力加減を考えながら使うことはないでしょうが、無意識の動きが圧迫の原因になっています。そんな普段使いのパーツである手・腕の疲労に気付けず放置している人が多いのが現状です。肩こりや腰痛と同じかそれ以上に、繊細に動かすパーツである事を認識して日常的にケアをしたい部位と言えます。

対策とまとめ

しびれの改善にはある程度の期間が必要です。一定期間に酸欠状態になりがちだった組織の回復にはそれなりに時間がかかること。阻害されていた神経伝達が、脳と各部位を再接続するまでにも時間がかかること。その回復期間にもしびれ感のアップダウンがあるでしょう。自分のしびれの原因が、普段の姿勢や身体の使い方に原因があるのか、そもそも疲労しているのか、ケアが不足しているのかを見直しつつ対策しましょう。手指、腕のしびれにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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