手根管症候群でお悩みの方へ

手根管症候群
手根管という手指に伸びる腱や神経の通り道となるトンネルがなんらかの原因で圧迫されることで、しびれをはじめ、痛み、こわばりなどの出る症状です。このトンネルの内圧を通常通りに戻し維持することが手根管症候群への対処となります。

対処の仕方

直接神経を圧迫しているのか、血管の圧迫で血流が阻害されることにより神経がうまく機能しなくなるかのどちらかが原因となりしびれは起こります。手根管症候群の場合は、神経の通り道であるトンネルで起こるしびれのため、直接的な圧迫とされます。
原因不明とされる症状ですが、職業性で自覚して手を酷使している人は多く発症すると報告されています。ホルモンの乱れによるむくみが原因とされることもあり、女性では妊娠・出産・更年期を機に発症するケースもあります。また骨折やケガをした場合などで神経に傷がつき症状が出る方もいます。ただこういった明らかな原因がなければ直接圧迫の原因になりそうな要因と、その要因を解消しにくくする状況の2点を対策しなければいけません。そこで「直接的な神経圧迫への対策」と「血流改善による神経機能の回復」を平行してケアをしていきます。

▼直接的な神経圧迫への対処
「安静に」と言われると何か他に解決の方法がないか考えてしまいますが、休息は優先して行う対処です。

手を酷使する人に発症が多いことから容易に推測できますが、トンネルを形成する骨格と靭帯、そこを通過する腱、腱鞘、血管、神経など、これら全てに過度なストレスがかかっていることは間違いありません。
また先述したホルモンの乱れが原因で腱鞘がむくみ、内圧が高くなることが原因とする考えを参考にすると、ホルモンの乱れで起こる主要な反応がストレスホルモンの増加であり、これがしびれに関係します。水分を保持しようと働くストレスホルモンは、むくみの原因になり内圧を高めます。
手を酷使することも、腱がむくむのも、ストレスをうまく処理できない性質に問題があります。これは正しい休息の取り方で解決します。

「安静に」とは、症状によって意味が変わってくる厄介な表現です。行ってほしい安静とは、腕を「あまり使わない」ように、ではなく「全く使わない時間を作る」ことと考えください。
職業性から、パソコン・スマホの操作、家事育児など、またスポーツ、楽器、ゲーム、読書など、手指を動かし続ける、持ち続ける動きは思っている以上の負担となるでしょう。
また症状が気になって動かしてしまったり、押したり振ったりする方が非常に多いです。これはストレスを自覚して強める作業になってしまうので、気にしないようにするのは難しいかもしれませんがその場合はなるべく他のものに意識を逸らしてあげてください。

▼血流改善から神経機能を回復させる
まず大前提として水分が足りているようにして下さい。入浴やマッサージでのケア、食事からの栄養素を気にして血液の流れをよくしようとしても、そもそも水分が足りていなければ血流がよくなることはありません。

その上で、手根への血液の流れをよくしていきます。必要なポイントは、

・肩の位置
肩が上がっていないか確認しましょう。力みながら肩を上げ、一気に力を抜き落ちたところが正しい位置です。

・腕のねじれ
手のひらを広げて身体の横に腕を広げましょう。手のひらが前を向いている時に肘は後ろを向きます。肘が下を向いている場合、腕がねじれています。

・腕の緊張
実際に体の筋肉を触ってみましょう。足や肩など他の部位と比べ、腕は硬いですか?不調がある場合はストレスから防衛本能で力が入ります。筋肉の大きさを無視すれば、硬さはあまり差がないことが理想です。

・脇の運動
腕への血流のポンプです。肩・腕のバランスの崩れ、緊張があればポンプは押し出すどころかせき止めます。歩くとき、腕を振れていますか?軽く振って歩けるのがベストです。絶対に荷物を肘にかけたりしないでください。不調がある場合、可能ならリュックで。

・姿勢
上記すべてを引き起こす原因になるのが姿勢の崩れです。日ごろの生活習慣が姿勢に反映されるので、下向く作業が多い人はストレッチポールで伸ばしたり、座りっぱなしの人は下半身の運動をしたりと対策は必須です。

血液を流すための努力も大事ですが、バランスを整えた上で運動をして勝手に流れてくれた方が楽です。姿勢よく軽く腕を振って歩く、が流れをよくする理想ということです。そのうえで、クリームなどを使ったハンドマッサージをすると効果大です。

早期回復のために

安静の時間がうまく作れない方、肩や腕のバランスが気になる方、身体の緊張が取れない方、自分での運動が難しい方、姿勢が気になる方など、なかなか自分でのケアが難しい場合は多いと思います。そのような時は、一度ご相談ください。腕専門の整体コースをご用意した当サロンでは、手根管症候群に対応しています。しびれを含む症状はできるだけ早めにケアを始めたい症状です。状態に合わせて施術内容を工夫しながら、サポートいたします。

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