テニス肘の改善②頸椎

前回に続いて肘の不調がラケットスポーツにおける手打ちから起こるケースに関しての紹介です。
肘まわり、腕をいくらケアしても治らない方など、参考になれば良いと思います。
今回は頸椎の硬さが誘発する手打ちフォームを見ていきましょう。

頸椎の影響

頸椎とは前回紹介した胸椎の上にある7つある椎骨で、簡単に言えば首の骨です。
首からの影響で肘の不調が起こることをイメージできるでしょうか?

☆頸椎の役割
頸椎は頭の位置を調整し、視線を安定させます。テニスではボールを追う視線と連動して肩や腕の動きが決まります。

☆制限されやすい部位
◯頸椎5番〜7番
首の下部。肩甲骨周辺の筋肉(僧帽筋、肩甲挙筋)や腕神経叢とつながりが深い。

◯頸椎1番、2番
首の上部で1番は後頭部に埋まっているようなイメージ。頭の回転に関与し、体幹の動きと連動。

☆手打ちとの関係
・頸椎が硬く、特に5番から7番が前傾姿勢(スマホ首)で固定されていると、肩甲骨が前方に引っ張られスイング時の方の開きが不十分に
・頭が前に出ると視線を保つために腕で調整する癖がつき、手首を過剰に使った手打ちになる
・頸椎上部が硬いと横を向く動作に制限がかかり、結果体幹のひねりの制限にまでつながることで手打ちのきっかけに

☆観察ポイント
姿勢を良くして、横を振り返るような首の動作で目線を横に動かすことなく自分の肩より後ろが視界に入るか。
姿勢を良くして、上を向くよう頭を動かし目線を上に動かさず天井をまっすぐ見れるか。

首の動きが硬い場合は体のねじれの制限の原因になったり、ボールを追うのに目ばかりを使ってしまう原因になります。
首のマッサージやストレッチなどで筋肉をほぐすといいですが、繊細な首をゴリゴリ押したり動かすのは良くないです。
蒸しタオルなど使って温めると首の筋肉が緩み、そのあと適切な強さでマッサージなどすると効果的です。

☆首の硬さの対策には頭の位置が大事
首は強い場所ではありません。体と頭をつなげるので大切な神経や血管を多く通しています。
たいてい頭の位置を安定させることに筋肉を使っていますので、日頃の姿勢、頭が背骨に乗っかるような重心の取り方を意識することが何より重要です。
タオル枕で頭より首に高さを作ったり、ストレッチポールで背骨を伸ばし頭の土台になるようにケアすることも大事です。

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