テニス肘の改善①胸椎

ラケット競技での肘の不調の中で、肩や肩甲骨、背骨や股関節の硬さにより手打ちフォームになることで肘の負担が増すケースがあります。今回はそんなケースでのテニス肘を紹介します。体のケアの考え方のサポートになればいいと思います。

テニスをやっていれば肘の不調を必ず感じるというわけではないかと思います。
ラケットを振る動作は足裏から股関節、骨盤、脊柱、肩甲骨、腕へと力が伝わる「キネティックチェーン」が理想です。
この連動が崩れると、上半身だけ、腕だけで無理やりスイングする手打ちになり、結果として前腕、手首、肘の負担が増します。

どのような部位が動きを制限し、手打ちを誘発するかを見てみましょう。

胸椎の影響

まず今回は胸椎による影響を見ていこうと思います。
胸椎とは24個ある背骨の真ん中12個を指し、背骨の中では頚椎より下の部分から腰椎より上の部分で、12対の肋骨に接続しているため他の椎骨より動きが少ないという特徴があります。
その役割は上半身の回転や肩甲骨の動きを支え、特にテニスではラケットを振る際の体幹のひねりにとって重要です。

☆制限されやすい部位
◯胸椎4番〜7番
位置は肩甲骨の真ん中から肩甲骨の下の高さをイメージしてもらえばよいと思います。胸椎中部に位置し肩甲骨に挟まれる位置にあるため、ここの硬さは肩甲骨の滑らかな動きを制限します。

◯胸椎1番〜3番
ちょうど首の下、肩の高さに位置しますので肩こりや首の緊張と関連します。肩甲骨を吊り上げる僧帽筋上部が過緊張する場合もここの硬さによる影響が考えられます。

☆手打ちとの関係
・胸椎が硬く回旋が不足すると、体幹の力がラケットに伝わらず肩や腕で補おうとする
・例えば胸椎の5番が硬いと肩甲骨が外に開きにくくなり、スイング時に腕を強く降り出す手打ちが増える
・肩こり持ちの人は胸椎中部の硬さが顕著なことが多い

☆観察ポイント
背中を丸めてみたとき、肩甲骨の高さで背中が丸めにくい、伸びない、固まってて丸まらないなどあるとき、胸椎の稼働不足とテニス肘の関係が疑われます。

胸椎の硬さが気になる、手打ちの原因となりそうな自覚があればケアをしましょう!
自分の手でほぐすのは難しい場所なので、ストレッチポールやマッサージボールなど、道具をうまく使って周囲の筋肉をほぐしてください。筋肉がゆるんだ感じが出てから肩、肩甲骨や背骨を動かす体操、ストレッチができるとより効果的です。

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